嚥下障害リスク評価尺度改訂版

摂食嚥下
この記事は約4分で読めます。

嚥下障害リスク評価尺度改訂版

前回の聖隷式嚥下質問用紙に引き続き、嚥下障害リスク評価尺度改訂版というスクリーニングテストを紹介します。

 

スクリーニングテストは摂食嚥下障害が疑われる者を早期に発見し、その後の精査と診断、治療へと繋げるために行うものです。

スポンサーリンク

概要

このテストは地域で生活する高齢者を対象に、嚥下障害リスクを自覚症状からスクリーニングするために開発された尺度です。

 

それぞれの項目は以下の要素を反映した内容となっています。

 

No.1〜7:咽頭期の嚥下障害
No.8〜12:嚥下・誤嚥
No.13〜20:準備期・口腔期の嚥下障害
No.20〜23:食道期の嚥下障害

 

評価方法

直近3ヶ月の嚥下の状態を「3点:いつもある」、「2点:時々ある」、「1点:稀にある」、「0点:ほとんどない」の4段階で評価します。

判断基準

合計得点が6点以上を「誤嚥リスクあり」と判定します。

 

信頼性

Cronbach’sα係数は0.92です。信頼性があるということです。

 

内的整合性(内的一貫性)
検査の尺度内部で回答のバラツキがないことを意味する。 尺度内の各項目が構成概念を同じように測ることができて、バラツキがなく、一貫していることを信頼性が高いとする考え方の概念のこと。

詳しくはこちらの記事をご覧ください。

精度

嚥下造影検査で「嚥下障害リスクあり」と判断された数に対して「合計得点が6点以上で嚥下障害あり」と判断した数の割合を示す感度と、嚥下造影検査で「嚥下障害リスクなし」と判断した数に対して「合計得点が6点未満で嚥下障害なし」と判断した数の割合を示す特異度は以下のようになります。

 

感度も特異度もまちまちですね。精度が高いスクリーニングテストとは言えません。

 

このスクリーニングテストだけでは嚥下障害の有無を断定してはいけません。

 

いくら感度や特異度が100%に近い数字でもです。100%ではないから。

 スクリーニングテストはあくまでも摂食嚥下障害の有無や嚥下に関する異常を推定することが目的であるので,詳細な障害像の把握はできないことに留意する.
また、あるテストで状態が不良であると判断された場合にも,別のテストではよい結果が出る可能性もある.例えば,いくつかのテストを行ってみると,唾液の嚥下は困難であるが食物の嚥下には問題ないことがある.
一方,自発的な嚥下が可能であっても不顕性誤嚥の可能性が高い場合もあるため,その他の検査や症状を複合的にみて判断する必要がある.
摂食嚥下障害の評価 2019 日本摂食嚥下リハビリテーション学会 医療検討委員会

 

用紙はこちら→https://www.ekenkoshop.jp/excludes/kaigo/images/risk.pdf

 

嚥下障害リスク他者評価尺度

こちらは、先ほどの嚥下障害リスク評価尺度改訂版の23項目のうち、12項目から構成されたスクリーニングテストです。

 

題名通り、対象者のご家族など他者の評価で完結することができます。

 

対象者の認知機能や高次脳機能障害に合わせて先ほどの嚥下障害リスク評価尺度改訂版と使い分けて使用しましょう。

 

構成要素は以下をご覧ください。

 

No.1〜7:準備期・口腔期・咽頭期の嚥下障害
No.8〜12:嚥下・誤嚥

 

評価方法は嚥下障害リスク評価尺度改訂版と同じです

 

判断基準は、合計得点が3点以上を「誤嚥リスクあり」と判定します。

 

精度

嚥下造影検査で「嚥下障害リスクあり」と判断された数に対して「合計得点が3点以上で嚥下障害あり」と判断した数の割合を示す感度と、嚥下造影検査で「嚥下障害リスクなし」と判断した数に対して「合計得点が3点未満で嚥下障害なし」と判断した数の割合を示す特異度は以下のようになります。

 

こちらも感度も特異度もまちまちですね。精度が高いスクリーニングテストとは言えません。

 

 

その他のスクリーニング検査も紹介しているので併せてご覧ください。

聖隷式嚥下質問用紙
聖隷式嚥下質問用紙の評価方法、信頼性、制度について簡単に紹介しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました