肩甲帯と体幹の固定性の評価【elbow push testの紹介】
「バランスが悪い」と言っても原因は多く考えられます。
その1つに『肩甲帯・体幹機能の低下』があります。バランスについては以下の記事で詳しく紹介しています。よければご覧ください。
その『肩甲帯・体幹機能』を簡易的に評価できる方法の1つにElbow push test(以下、EPT)というものがあります。座位肘押しテストとも呼ばれます。
本来、EPTは野球肩・肘障害の理学的評価として用いられます。
陽性であるものは肩甲帯や体幹の機能不全として捉えられています。
今回は、EPTの測定方法と、結果の解釈について紹介しようと思います。
方法
座位(足は床から離れた状態)とし、体幹前面で肘90度屈曲にて腕を組ませ肘を後方に押した際の抵抗力を判定します。
抵抗はタイミングを教示せず、勢いをつけて行うようにしましょう。
体幹や肩甲帯機能不全があれば、瞬間的な脱力現象が見られ、これを陽性とします。
結果の解釈
陽性と判断した場合の解釈は以下の通りです。
- 前鋸筋・外腹斜筋・棘下筋の3筋の活動性が高いことが報告されています。⇒野球肩11項目テストにおけるelbow push test時の筋活動
3筋のうち、「どの筋が弱いのか」「筋力の比較をする」には、個々の筋に対してMMTを実施してみれば分かると思います。
- EPTの運動特性として、肘部で上肢を突き出すための肩甲骨の固定と、突き出す動作に伴う体幹回旋が必要と述べられています。
⇒肩関節評価における座位肘押テストに関わる身体的要因の検証
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