日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の試験対策について

雑記
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日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の試験対策について

 

学生の頃に卒業研究をきっかけに摂食嚥下分野に興味を持ち始めて、就職してからはチームで嚥下に関わろうと勉強をしていましたが、独学であったため知識に偏りが生じてしまい、うまく連携が取れない経験を繰り返していました。

 

摂食嚥下についての共通認識を一から学びたい、自分の知識を改めて見直し、学びを深めたいと思い、認定試験を受験し、無事に合格しました。

 

今回は、摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の概要と、私が実際に行った勉強法について紹介したいと思います。

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試験を取得すると?

学会のホームページに記載されています。

(認定水準)
第5条 医師、歯科医師あるいはそれに準ずるものによる摂食嚥下リハビリテーション計画を理解し、それに従って摂食嚥下訓練を実施すると共に、その経過や結果を指示者に報告する能力を有し、同時にリスク回避に関して必要な知識と技能を有することを認定水準とする。この水準は摂食嚥下リハビリテーションの基本要素として、摂食機能療法実施時の要求水準を十分に超えるものを想定し、本学会の特色である関連多職種の知識と技能の共通部分を明示するものである。ただし、本認定によるリハビリテーションの実施は、職種ごとに規定された法的制約を超えるものではない。

(一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会HPから引用)

摂食嚥下のリハビリを効率よく実施するためには職種間で共通の知識技術を持つことが必要です。

要は、認定士は摂食嚥下のリハビリについての知識が十分(学会が要求している水準以上)であることを示してくれるものとなります。

資格を取ったから栄養士が嚥下訓練ができる、理学療法士がVFを実施できる…というわけではない(本認定によるリハビリテーションの実施は、職種ごとに規定された法的制約を超えるものではない)ことに注意してください。

受験資格

学会のホームページに記載されています。

(認定士試験受験資格)
第2条  認定士試験受験資格は以下の3項をすべて満たすこととする。

(1) 本学会会員歴が、受験年の7月31日において、2年以上であること。

(2) 摂食嚥下に関わる臨床または研究歴が、受験年の7月31日において、通算3年以上であること。

(3) 日本摂食嚥下リハビリテーション学会インターネット学習プログラム(以下eラーニングという)全課程の受講を修了していること。

(一般社団法人日本摂食嚥下リハビリテーション学会HPから引用)

条件を満たすのは時間は必要ですが簡単だと思います。

ただ、理学療法士としては(2)の条件が悩ましいとこですね。臨床・研究歴の内容を簡単に受験申請書に記載する必要があるので、全く摂食嚥下に関わったことのない方は受験することが難しいのではないかと思います

 

私は、大学4年のときに会員になり、受験までの間に摂食嚥下に関わる研究を2件行っていたので問題はありませんでした。

出題範囲と内容

出題範囲は日本摂食嚥下リハビリテーション学会のe-ラーニングからです。

全部で78のコンテンツがあり、1コンテンツにつきスライド15〜20枚で構成されています。

1コンテンツあたりの学習時間を30分から60分に想定して作成されているそうです。

 

そして最後に○✕形式の確認問題があります。

 

 

昨年から会員以外でもアドレスや職種、勤務先を入力すればe-ラーニングを受講することができるので興味のある方はご覧になってはいかがでしょうか。

 

実際の試験の大まかな内容は以下の通りです。

 

・出題範囲はe-ラーニング
・問題は80問、時間は80分、マークシート方式
・5択(1つ選べ、2つ選べ、間違いを選べ、正解を選べ など)
・最終問題は症例問題(2題)

e-ラーニングの各コンテンツの最後にある確認問題が○✕形式であるのに対して試験は5択になります。

ということは、確認問題だけを繰り返し解くだけではダメだということが分かると思います。

 

今年の症例問題は詳しくは覚えていませんが、『CVA患者JCS●桁、発症から●日の時点での嚥下評価で不適切なものはどれか…。』みたいな感じでした。

 

評価についてはe-ラーニングで解説されているもの以外にも出題されていたので幅広く学んでおいた方が良さそうです。

合格率

公式には発表はありませんが、2021年度の受験者総数が445人で、そのうち388人が合格しています。

合格率でいうと約87%です。

 

例年、合格率は約70〜80%程度みたいです。

 

そんなに低くはありませんが、受験者の多くは言語聴覚士や医師・歯科医師が多く、日々臨床で摂食嚥下に携わっている方がほとんどなので、理学療法士の私としては当てにならない数値でした。

 

そんな方々と同じ土俵で同じ問題を解かなければならないという、当たり前のことですが私にとっては少々ハンデのようなものを感じました。(実際そんなことは関係ないのだけれども。)

試験専用の参考書について

医師薬出版株式会社からe-ラーニング対応の書籍が出ています。

 

計7冊で各々3,000円程度で購入はできます。

 

私は購入していないので詳しい内容は知りませんが、e-ラーニングに対応しているということだったので、敢えて20,000円以上の高いお金を出して購入するまでもないかな…。と思っています。あくまで個人の意見ですが。

 

紙媒体で書き込みや暗記マーカーなどを用いたい方は購入してみても良いかなと。

 

実際に試験会場に行ったときに色んな人の手元を観察していたのですが、参考書を購入している方はちらほら見かけました。

 

それよりもe-ラーニングのスライドを印刷して、ファイルにまとめている人の方が多かったです。

 

1コンテンツあたり15枚として78コンテンツあるから…仮に全部印刷するのであれば合計1170枚になりますね。辞書レベル。

 

ちなみに私は印刷はせずに画面スクリーンショットでPowerPointに貼り付けてパソコン上で勉強しました。

過去問について

過去問は残念ながらありません。あくまでも出題範囲のみが示されている通りです。

 

ただ、無くて良かったとも思っています。

 

もし、過去問があれば、国家試験のようにずっと問題を反復していただけの勉強になっていたと思います。

 

そもそも試験に受かるための勉強をしたくなかったから。
この試験は強制でもなんでもありません。自分が学びを深めて臨床に活かしたいから、高いお金を払ってまで受験しているのに問題の答えだけを覚えていても、仮にそれで合格しても進歩しないなと感じています。

 

これから受験をしてみようかなと考えている方へ…。資格を取って何を得たいのか?どう活かしていくか?というとこまで踏まえた上で試験に臨んでみてください。

 

きっと勉強が苦にならないはず。

私の体験談を通してアドバイス

とは言っても試験範囲はかなり広いので不安に思う方も多いと思います。

私自身とても不安でした。「とりあえず受かりたい」という気持ちが優先されてしまう時期もありました。

 

励ます意味を含めて私の体験談をもとに少しアドバイスを…。

 

要は78のコンテンツから80問の出題です。重箱の隅をつつくような内容は出されないだろうと思っていました。実際に試験の内容は基本的な内容が多かった印象です。

 

そして最後の2問は症例問題です。残り78問…。

 

あ、コンテンツの数と一緒だ!とニヤリ。

 

つまり、1コンテンツから1題が出されている計算になるな…。と勝手に皮算用してました。

 

e-ラーニングの解説を読みまくったり、文章や単語を暗記することも大事ですが、このコンテンツでは何が重要なのだろうという疑問を常に持ちながら勉強することをお勧めします。

 

実際の試験問題は私の予想通り大体1コンテンツから1題の配分でした。

 

5択のうちの1つの選択肢の文章はe-ラーニングで出題された文章がそのまま出されていました。
あくまでも私が受験した年の話なので毎年そのような選択肢が出ているかは分かりませんが、参考までに。

 

本番と形式は違えどe-ラーニングの確認問題は必ず解いて、『✕』だった文章は何で『✕』なのかを答えられるようにしておいた方が良さそうです。

 

ここまでのまとめです。

出題範囲が広い割には試験問題が少ないため浅く広く勉強する。
コンテンツの重要なポイントは何かを意識しながら勉強する。
コンテンツ毎の確認問題は必ず解き、正・不正解の理由まで覚えておく。

勉強方法について

こればかりは回り道はありません。書いて覚える、繰り返し読み返して覚えるの繰り返しです。

 

参考になるかは分かりませんが、私はPowerPoinで勉強しました。

 

PowerPoint2019では『描画』というツールがあるのでそれを利用しました。

 

画像は自分が作成したスライドなので悪しからず…。

 

印刷する手間が省けて、学生の頃に大活躍した暗記用マーカーペンを買う必要もありませんね。

おわりに

資格を取得して間もないですが、資格を取得してから言語聴覚士や医師など他職種と同じ目線で話ができるようになった気がします。

 

今後ますます摂食嚥下リハビリのニーズは高まってくると予想されているので、認定士も人気の資格になってくるのではないでしょうか。

 

リハビリに関わる医療者として勉強して損はない内容です。ぜひ取得を考えてみてください。

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