中殿筋
起始停止
起始:腸骨外面の前殿筋線と後殿筋線の間
停止:大腿骨の外側面
神経支配
上殿神経(L4~S1)
血液供給
上殿動脈および下臀動脈
働き
中殿筋は強力な股関節外転筋です。
内外転軸を中心にみると中殿筋の線維の走行は全て軸の外側に位置しています。(下左図)
屈伸軸・回旋軸と中殿筋の線維の関係は下右図のように「前方線維」と「後方線維」に分けられます。
前方線維は股関節外転の作用以外に、股関節屈曲・内旋の作用を有しています。
後方線維は股関節外転の作用以外に、股関節伸展・外旋の作用を有しています。
触診
中殿筋
まず、側臥位にし下の脚は股関節・膝関節を曲げて基底面を広げておき安定性を確保しておきます。
上方の脚は屈曲・伸展中間位から股関節を天井に向けて持ち上げるように指示します。
触診部分は大転子を頂点に上方へ三角に広がる部分です。(下図の青い部分)
中殿筋前部線維
下方の脚は開始位置は股関節・膝関節を曲げて基底面を広げておき安定性を確保しておきます。
上方の脚は股関節内外転中間位・軽度伸展、膝関節を90°屈曲させます。
下の図にはありませんが、検者は被検者の上方の脚を保持します。
被検者に股関節の屈曲運動を指示し、触診します。触診部分は大転子の前方です。
中殿筋後部線維
下方の脚は開始位置は股関節・膝関節を曲げて基底面を広げておき安定性を確保しておきます。
上方の脚は股関節内外転中間位・45°屈曲、膝関節を90°屈曲させます。
中殿筋上部線維同様に、検者は被検者の上方の脚を保持します。
被検者に股関節の伸展運動を指示し、触診します。触診部分は大転子の前方です。
関連疾患
・変形性股関節症
・大腿骨頸部骨折
・大腿骨転子部骨折
・中殿筋麻痺
・先天性股関節脱臼
トレンデレンブルグ徴候
臨床では、中殿筋の筋力低下に伴い、トレンデレンブルグ徴候やデュシェンヌ徴候が出現することがあります。
前回の記事で詳しく説明しています。併せて読んでおきましょう。
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