リハビリ職として最低限知っておきたい血液検査の結果

理学療法評価
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リハビリ職として最低限知っておきたい血液検査の結果

 

血液検査はその名の通り、血液を採取して身体の異常がないかを調べるものです。

あまり意識して勉強や臨床に活かしている新人さんは少ないのではないでしょうか。よく先輩から「介入に入る前に血液データは見たほうがいいよ」とアドバイスをくれます。

 

カルテには採血したデータを経時的に記載しているはずです。

患者様の全身状態の変化を知るため、リスク管理、病態・病状を把握するためにも「これは何を示しているのか」ということは覚えなきゃいけないですね。

 

今回は、血液検査から分かることをざっとまとめてみます。全部載せると長くなるので(血液検査や尿検査で分かることは1000種類以上もあります。)、コメディカル職として最低限知ってほしいものを載せますね。

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血液学検査と血液生化学検査

私の病院では検査用紙が2種類あります。それぞれ、血液学検査と血液生化学検査に分かれています。それぞれの意味について紹介します。

血液学検査

血液検査とは、血液中の赤血球や白血球、血小板等の数を数えたり、白血球の分類をする検査です。

血液生化学検査

生化学検査とは、血清中の成分を化学的反応や酵素反応を利用して分析することです。血液中の化学物質を検査するということです。

白血球に関するもの

細菌が身体の中で増殖すると、それらを排除するために白血球が活躍します。ということは、身体の中の細菌が多ければ多いほど白血球の数は多くなります

白血球数

基準値

3500~9800/μL

Neut

白血球のうち、好中球の割合を示したものです。

基準値

40%~70%

基準値より高い場合

  • 細菌感染や肺炎などの感染症
  • 白血病や多血症などの血液疾患
  • 心筋梗塞や腎不全や火傷による組織の損傷
  • ストレス

基準値より低い場合

基準値より低い場合は“好中球”自体が少なくなっているのではなく、好中球の割合が減っている(好酸球、好塩基球などの割合が増え、相対的に好中球の割合が減る)と考えます。

  • 細菌の重症感染症
  • 麻疹や風疹などのウイルス感染症
  • 再生不良性貧血
  • 巨赤芽球性貧血の血液疾患
  • 肝硬変

赤血球に関するもの

赤血球身体に酸素を運ぶ重要な働きがあります。

赤血球数

基準値

  • 男性⇒440~590×10⁴/μL
  • 女性⇒380~520×10⁴/μL

女性のほうが赤血球数が少ないです。

これは、男性ホルモンには造血能力を高める効果があったり、女性は生理があることが原因です。

基準値より高い場合

  • 多血症
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • ストレス
  • 脱水状態
  • 喫煙

基準値より低い場合

  • 貧血
  • 臓器の機能が低下または出血

ヘモグロビン

血液単位体積あたりのヘモグロビン量です。

ヘモグロビンは赤血球の中に含まれているもので、酸素と結合することで運搬を可能にしています。

貨物船に例えると、赤血球が船でヘモグロビンが貨物と考えていいですね。ちなみにヘモグロビンは赤色です。だから、人の血は赤色なんですね。

 

余談ですが、体動物(タコやイカ)や節足動物(甲殻類)などは、銅を多く含む「ヘモシアニン」という色素を持っており、その銅の成分が酸化されるので、これらの生き物は青い血です。また、ヘモバナジン(バナジウム)を媒体とする「ホヤ」は血液が緑色です。

基準値

  • 男性⇒13~18g/dL
  • 女性⇒12~16g/dL

ヘマトクリット

赤血球の容積比です。血液単位体積の赤血球容積の割合を示します。赤血球それぞれの大きさに応じてヘマトクリット値が変化します

基準値

  • 男性⇒40~52%
  • 女性⇒35~47%

MCV、MCH、MCHC(赤血球恒数)

MCV平均赤血球容積で、赤血球1個の平均の大きさを表します。

 

MCH平均赤血球血色素量で、赤血球1個に含まれるヘモグロビン量を表します。

 

MCHCは赤血球1個当たりの、平均ヘモグロビン濃度を%で表します。

 

この3つの結果から分かることは貧血の種類です。正常範囲内でも疑われる貧血の種類があるんです。

基準値

  • MCV⇒80~99fl(フェムトリットル)
  • MCH⇒25.0~34.0μg
  • MCHC⇒31.0~36.9%

正常値より下回る

  • 鉄欠乏性貧血
  • 慢性的な出血による貧血

正常範囲内

  • 再生不良性貧血
  • 溶血性貧血

正常値より上回る

  • 溶血性貧血
  • 巨赤芽球性貧血

血小板

血小板数の基準値は病院や施設によって多少異なっており、また個人差も大きいです。

1人の個人においては通常はだいたい一定の数値を保っているので、経時的に観察して、大きな変動がないかを確認しましょう。

 

血小板は、出血したときに止血する役割で有名ですね。

 

血小板数が少なくなると出血したときに血がなかなか止まらなくなり、鼻血が出やすくなったり青あざができたりします。

逆に血小板数が多すぎると血が固まりやすくなり、血が塊となって血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞になることもあります

基準値

15~40×10⁴/μL

基準値より高値の場合

  • 骨髄増殖症候群(本態性血小板症、慢性骨髄性白血病、真性多血症、原発性骨髄線維症)
  • 反応性血小板増多症

基準値より低値の場合

産生低下により低値になった場合
  • 再生不良性貧血
  • 骨髄異形成症候群
  • 骨髄への浸潤(白血病、悪性腫瘍、多発性骨髄腫、骨髄線維症、悪性リンパ腫など)
破壊亢進により低値になった場合
  • 特発性血小板減少性紫斑病
  • 続発性血小板減少性紫斑病(SLE、急性感染症、薬物アレルギー、リンパ増殖性疾患)
  • 播種性血管内凝固症

医療スタッフの方々へ注意点

医療スタッフの方々への注意点です。

 

血液データだけでアセスメントしないで下さい!

 

ヘモグロビン値で例えます。脱水(みかけ上ヘモグロビン値は上昇します。)や体液の量が過剰になる(みかけ上ヘモグロビン値は低下します)ことで血漿量が変化すると「みかけの値」をとります。

また、出血直後では血球・血漿が同程度失われるため、たとえ大量の出血であっても正常値を示すことがあります。

ちなみに慢性に経過する貧血は短時間に生じる貧血(多量の出血など)に比べて症状が強くないため、同じ値でも日常生活に支障のない方もいます。

 

血液データと臨床の所見とを総合的に診て、治療が開始されていることを確認し、現在の状況をアセスメントし介入を検討しましょう。

 

血液データの値だけを基準に「離床はさせない」ということではなく、この値をもとにリスク管理を考えるということです。

「組織の欠乏に基酸素づく症状(めまい、頭痛、倦怠感など)」とそれを補うための「生体の代償作用に基づく症状(息切れ、動機、頻脈等)」の出現に注意し、対応を考えた上で離床を行っていくようにしましょう。

おわりに

血液学検査についてまとめました。10個程度しか紹介していないですが、たくさんの情報を得ることができますね。

 

リハビリの技術も大事ですが、リハビリの技術はこれらのデータを見ることができる知識やアセスメント能力が基盤にあってこそ真価を発揮できると思います。

 

検査結果を示している紙には高値か低値は載っているので、無理に基準値を覚える必要はありません。その結果、どんな症状が考えられるかが大事です。

 

ぜひ何度も読んで頂き、この知識を自分のものにして下さい。最後まで読んで頂きありがとうございます。お疲れさまでした。

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