パーキンソン病の摂食嚥下障害

摂食嚥下
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パーキンソン病の摂食嚥下障害

 

パーキンソン病患者の半数以上に摂食嚥下障害を認めます

 

 

全ての症状が出現する訳ではありませんが多様な症状が出現するのでここで再学習しておきましょう。

 

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重症度分類と摂食嚥下障害

パーキンソン病の進行度を示す指標として有名なのはHoehn & Yahr(ホーン・ヤール)の重症度分類生活機能障害度です。

 

前者は1度(軽症)〜5度(重症)で示され、後者は1度〜3度で示されます。

 

大事なことは、上記に示した分類と摂食嚥下障害の重症度は必ずしも関連があるとは言い切れません

Neither the report of dysphagia nor any of the PD severity parameters correlated to the videofluoroscopic variables.
Monte FS, da Silva-Júnior FP, Braga-Neto P, et al. Swallowing abnormalities and dyskinesia in Parkinson’s disease. Mov  Disord 2005;20:457-462

 

さまざまな摂食嚥下障害が現れる

パーキンソン病の摂食嚥下障害は嚥下の各相・各期に影響を及ぼします

 

相(phase):食塊の動き
期(stage):嚥下運動(組織の動き)

 

ここでは分かりやすく5期モデルで考えてみます。

 

5期モデルについてはこちらの記事で解説しています。

先行期

うつ症状や認知障害により食事摂取量の低下拒食)がみら、拒食により脱水・低栄養を招きます

 

また、振戦や強剛により上肢・頚部・顎の運動が障害されます。

 

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上記図のように姿勢の異常が食事時の姿勢に影響を及ぼすこともあります。

準備期・口腔期

振戦や強剛は準備期・口腔期にも影響を及ぼし、舌の運動や顎の運動を阻害し食塊形成不良や舌の送り込み障害を引き起こします。

 

また、口腔乾燥や流涎がみられることもあります。

咽頭期

嚥下反射遷延、口頭挙上の減弱により喉頭蓋谷梨状窩残留誤嚥を引き起こします。

食道期

輪状咽頭筋の機能不全や食道の蠕動運動の減弱により胃食道逆流を引き起こします。

 

 

その他、自律神経障害による低血圧咳嗽力の低下などが現れることがあります。

主な対策

パーキンソン病の摂食嚥下障害への対策を幾つか挙げてみます。

・質問紙やスクリーニング検査で早期発見に努める

 

・適切な嚥下調整食の提供と食事姿勢の環境調整(ポジショニング)

 

Wearing off現象を認める場合には食前にパーキンソン病薬を服用するようにする

on/off現象を認める場合にはonの時間帯に食事できるように時間の調整を行う

パーキンソン病が進行すると、薬が効く時間が短くなり、次のお薬を飲む前に効果が切れるWearing off現象など、1日のうちで薬の効くとき(on)と効かないとき(off)がみられるようになる。

 

・運動機能障害に対する理学療法や投薬の調整を行う

 

また、パーキンソン病は進行性であるため、嚥下調整食や肺炎・栄養障害への対応が継続して行えように介助者のサポートが必要になります。

 

ここでいう『継続』とは、病期に対応した食形態や姿勢・環境調整が求められるので、一度指導したら終わりではなく、患者の状態に合わた指導が継続的に必要になるということです。

最後に

重症度分類と一致しないこと、嚥下障害の自覚が少ないことから嚥下障害は見落とされがちですが、実際にパーキンソン病患者の半数以上が摂食嚥下障害を認めていることから早期発見がとても重要になってきます。

 

言語聴覚士だけが摂食嚥下機能を評価できるだけでは不十分です。

 

とはいうものの、理学療法士や作業療法士がRSSTやMWSTなどの検査をしなければならないという訳ではありません。

 

早期発見のためには患者に関わる全ての者が『どのような症状が出るのか』ということを知っておくのが大事だと思います。

 

他職種と連携を取るための知識を持っておくことが早期発見に繋がります。

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回復期勤務の理学療法士。
卒業研究で摂食嚥下分野に興味を持ち、いつまでも食べる楽しみを続ける支援ができるように日々研鑽を行う。
【所属学会】
日本摂食嚥下リハビリテーション学会、日本サルコペニア・フレイル学会

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