咽頭筋の解剖

解剖学
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咽頭筋の解剖

 

咽頭筋は咽頭期に働く筋のひとつです。

 

あまりメジャーな筋ではありませんが嚥下を行うにあたって必要な筋なので、まとめてみました。

 

ただし、当ブログの記事で全ての知識をお伝えすることはできません。

 

知識の『導入という位置付けで学んでいただけると幸いです

 

詳しく学びたいときは参考文献にある書籍の購入をおすすめします。

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咽頭筋の分類

咽頭筋は大きく2種類に分けられます。

 

咽頭を収縮させる咽頭収縮筋と、咽頭を挙上させる咽頭挙筋に分けられます。

 

咽頭収縮筋は上咽頭収縮筋中咽頭収縮筋下咽頭収縮筋に分けられます。

 

下咽頭収縮筋の下部は輪状咽頭筋として区別されることもあります。

 

咽頭挙筋は茎突咽頭筋耳管咽頭筋に分けられます。

咽頭筋の分類

言葉だけだと難しいので咽頭筋について簡単に表でまとめました。

今回、口蓋咽頭筋は軟口蓋筋として分類しています。

口蓋咽頭筋について

口蓋咽頭筋は軟口蓋筋に含まれるか、咽頭挙筋に含まれるかどうかについては、私の調べる限りだと一致した見解はない感じでした。

 

・浅層筋束は軟口蓋を下制するが、軟口蓋が挙上位に固定されると咽頭挙上に働く
・嚥下時の梨状陥凹から食道への食塊移送に関わる
・深層筋束は、咽頭峡を狭めることで鼻咽腔閉鎖機能に関わる

角田佳折,他.肉眼解剖学的にみた嚥下におけるヒト咽頭挙筋群の役割.第11回臨床解剖研究会記録.2007

 

咽頭収縮筋の作用と咽頭挙筋の作用を併せ持つために分類が難しいんですね。

咽頭収縮筋

 

咽頭収縮筋は上咽頭収縮筋、中咽頭収縮筋、下咽頭収縮筋に分けられます。

 

 

ここでひとつ注意点があります。

上咽頭がん 全ページ:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

 

咽頭収縮筋の名称と咽頭の解剖学的な位置関係は関係ない
つまり、上咽頭を支配しているのが上咽頭収縮筋…ではないので注意してください。

 

上咽頭収縮筋・中咽頭収縮筋は中咽頭の運動に関与し、下咽頭収縮筋は中・下咽頭の運動に関与します。

咽頭期における咽頭収縮の役割

咽頭期において咽頭筋の収縮は3つの役割があります。

・鼻咽腔閉鎖
・嚥下圧の生成
・咽頭の蠕動様運動

咽頭の収縮により、軟口蓋や舌根部と接触することで鼻咽腔閉鎖や嚥下圧を生成することができます。

 

また、上咽頭から下咽頭に向かう咽頭収縮筋の連続的な収縮を咽頭の蠕動様運動と呼び、この運動によって食塊の押し下げが行われます。

蠕動運動と蠕動様運動

蠕動運動蠕動様運動の違いは、中枢神経を介しているかの違いです。

 

 

蠕動運動は、粘膜下神経叢や筋間神経叢と呼ばれる管腔組織の中にある神経組織でコントロールされています。

 

それに対して蠕動様運動は、粘膜下神経叢や筋間神経叢ではなく中枢を介した迷走神経がコントロールしています。

咽頭挙筋

 

咽頭挙筋は茎突咽頭筋耳管咽頭筋に分けられます。

 

名前の通り、咽頭を挙上する筋です。

 

また、茎突咽頭筋は喉頭蓋谷の粘膜を動かすことで、喉頭蓋谷から梨状陥凹への食塊の排出に関わるとも言われています。

咽頭期をざっくりと解説

咽頭期は1秒未満という短い時間で30以上の筋肉と神経が関わってくる運動の集合です。
概要についてざっくりとまとめました。

 

① 軟口蓋筋の働きと上咽頭収縮筋の収縮(Passavant隆起)による鼻咽腔閉鎖

 

② 舌根部と上咽頭収縮筋により食塊を舌根部から咽頭に送り込む

 

咽頭挙筋・口蓋咽頭筋の働きで咽頭腔を拡大咽頭を挙上)させ、舌の食塊を受け取る

 

④ 咽頭収縮筋(上・中・下収縮筋)により、Passavant隆起から輪状咽頭筋にかけての咽頭後壁の蠕動運動が起こり食塊が押し込まれる

Passavant隆起
咽頭収縮筋の収縮により咽頭後壁に生じる隆起のことで軟口蓋挙上と併せて鼻咽腔閉鎖に働く

 

⑤ 舌骨と喉頭の前上方の挙上と④による食塊の押し込みにより喉頭蓋が後方へ倒れ込む(喉頭蓋レベルでの喉頭閉鎖)

 

⑥ 喉頭蓋倒れ込み、声門閉鎖、披裂部の内転により咽頭腔と下気道が遮断される

 

⑦ ⑤での喉頭挙上と輪状咽頭筋の弛緩により、食道入口部が開大する

 

咽頭挙筋が関わってくるのは③の咽頭腔拡大です。

参考文献

 

 

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