縫工筋
縫工筋は身体の中で最も長い筋肉です。縫工筋、薄筋、半腱様筋の3つで鵞足を形成します。
起始停止
起始:上前腸骨棘
停止:脛骨粗面の内側(鵞足部分)
神経支配
大腿神経(L2、L3)
血液供給
大腿深動脈及び下行膝動脈の伏在枝
働き
股関節の屈曲・外転・外旋
膝関節の屈曲および内旋
膝関節は1軸性?2軸性?

あれ?膝関節って蝶番関節だから1軸性じゃないの?なんで『外旋と内旋』があるの?ROMテストには載ってなかったよ?

膝関節は「蝶番関節」の中に分類される「螺旋関節」という関節だよ!
ややこしいけど、解剖学的には「蝶番関節」で、運動学的には「螺旋関節」に分類されるよ。

膝関節の場合、屈曲/伸展の運動を行うことで関節を構成する骨(大腿骨と脛骨)が螺旋状に回旋します。

「Screw Home Movement」って聞いたことがあるんじゃないかな?
膝の伸展に伴い下腿が大腿骨に対して外旋することだったね。

じゃあ膝関節は1軸性で覚えておけばいいね!

他にも距腿関節、腕尺関節も螺旋関節だよ!ついでに覚えておこう!
触診
左の縫工筋を働かせたいときは、下の図のような姿勢をとります。
左の踵で右の下腿を長軸方向になぞるように動かしていくと左縫工筋が働きます。
上の図の左側の下肢は「股関節屈曲・外転・外旋かつ膝関節屈曲・内旋」の姿勢なのです
縫工筋の働きをフルコンプリートしています。
上前腸骨棘(下の図の赤い点)の下部分に指を当て、上記の運動を反復すると縫工筋の動きを触知することができます。
関連疾患
・鵞足炎
・上前腸骨棘裂離骨折
・平泳ぎ膝
鵞足とは?
鵞足とは、半腱様筋、薄筋および縫工筋の腱が扇状に広がりながら脛骨に付着し、その部分が水鳥の足のような形であることから鵞足と呼ばれています。
「鵞足」自体は解剖学的にそこまで重要ではありません。
重要なのは、鵞足部分に炎症が起こりやすいということです。
名称はそのまま「鵞足炎」です。「ランナー膝」とも呼ばれています。
縫工筋・薄筋・半腱様筋の柔軟性が無くなると、腱と付着部に摩擦が起こりやすくなります。
擦れて炎症が起こってしまうことを鵞足炎(ランナー膝)と言います。
ランナーは膝の屈伸を反復して走るわけですから擦れやすいのは想像できますね。
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