シャキア法はもう古い!?最近の知見を解説!

摂食嚥下
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シャキア法はもう古い⁉最近の知見を解説!

嚥下訓練として有名なものとしてシャキア法(Shaker法)があるのはご存じですか?

 

舌骨上筋群の強化方法として国際的に広く実施されています。

 

しかし、最近はそのシャキア法の効果に疑問符を投げかける文献が多く存在します

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シャキア法の実施方法

「シャキア法」の画像検索結果

Shaker法は仰臥位で頭頚部を屈曲し、つま先を見る方法です。

 

具体的には挙上位の保持(等尺性運動)と頭部の上げ下げの反復挙上運動を繰り返します。

 

効果としては、食道開口部の開大喉頭挙上筋群の筋力増強です。

私もそうですが、シャキア法や頭部挙上訓練の効果は『舌骨上筋群の強化』と思っていましたが誤解でした。
オトガイ舌骨筋(舌骨上筋群)と甲状舌骨筋舌骨下筋群)が共同して働くことで舌骨・喉頭挙上の働きをします。

 

舌骨下筋群の一つである甲状舌骨筋も喉頭挙上に関わってくるんですね。

 

【甲状舌骨筋の作用】

甲状舌骨筋の作用についてinstagramで投稿しています。併せてご確認下さい。

hayato@明日への臨床を支援 (@hayato_reha) posted on Instagram: “【甲状舌骨筋の作用】 起始・停止ともに関節を構成しない骨に付着している甲状舌骨筋の作用についてまとめました。 ✅どちらを固定するか? ✅どの筋と協同して働くか? を考えましょう! #理学療法士 #リハビリ #知識発信 #明日の臨床のヒント” • Sep 6, 2020 at 3:02pm UTC
8 Likes, 0 Comments - hayato@明日への臨床を支援 (@hayato_reha) on Instagram: “【甲状舌骨筋の作用】 起始・停止ともに関節を構成しない骨に付着している甲状舌骨筋の作用についてまとめました。 ✅どちらを固定するか? ✅どの筋と協同して働くか? を考えましょう...

シャキア法の問題点

身体的負荷が高い

まず、息をこらえることで血圧の上昇を招く可能性があります

 

また、頸部・肩甲帯の柔軟性が失われた方に過度の頭頚部屈曲を促すと筋損傷による疼痛を引き起こす可能性があります

腹筋群の代償が大きい

シャキア法を実施するにあたって、「つま先をみるように顔を上げて下さい。」と教示します。

 

つま先を見ることに集中して、上部体幹まで床から持ち上げようとする方が多くいます。

 

これは代償行動となります。

 

その場合に使われるのは腹筋群です。

 

両肩は床につけたままで」と一言付け加えることで代償運動を回避することができます。

円背の方には適していない

高齢者に良く見かける姿勢として円背姿勢があります。

 

頭部が前方突出
脊柱後弯
骨盤後傾
股関節屈曲
膝関節屈曲
「両肩は常に床についておく姿勢をとる」のが好ましいとされています。

 

しかし、円背の方はそもそも肩を床につけることができません

 

後弯した脊柱により、肩を床につけることができないのです。

 

円背姿勢の方はアライメント上、摂食嚥下機能の低下と誤嚥を招く可能性が高くなります。

 

でも円背の方にはシャキア法は適していない。

 

強化方法を変えるしかないですね。

CTARの効果と実施方法

そこで紹介するのがChin tuck against resistance(CTAR) exercise です。

 

実施方法は簡単です。

CTAR法

引用:摂食嚥下リハビリテーションにおける訓練法の動向と実際

顎と胸骨の間にゴムボールを挟み、ゴムボールを顎と胸骨で締め付けるように動作を実施してもらいます。

 

ボールがつぶれるように最大努力で行い、息を止めないようにしましょう。

 

CTARとシャキア法をsEMG で比較した結果、CTAR による舌骨上筋群への刺激がより特異的であったと報告されています

参考文献

コメント

  1. アバター西山耕一郎 より:

     シャキア訓練法が、高齢者に負荷が強すぎて不向きには全く同感です。
    訓練効果として舌骨上筋群を鍛えるは疑問です。
     喉頭蓋が後屈するためには、甲状舌骨筋の収縮が必要ですが、甲状舌骨筋は舌骨下筋群です。喉頭挙上筋群を鍛えると表現を変えては如何でしょうか。
     また食道開口部の開大効果ですが、食道入口部は輪状咽頭筋が常時収縮して閉じられており、喉頭(輪状軟骨)を前上方向に移動させても、輪状咽頭筋は弛緩せず閉じたままです。解剖学的には食道開口部の開大効果は無いと耳鼻咽喉科医は考えてます。臨床的に、喉頭挙上訓練をしても、輪状咽頭筋弛緩効果を確認できた症例を経験してません。
     CTARはとても良いと思います。私はメンドくさいので、リハボール訓練と患者さんに説明してます。

    • hayatohayato より:

      西山先生
      お忙しいとことコメントをありがとうございます。『所さん!大変ですよ』拝見しました。大変興味深い内容で勉強になりました。

      『喉頭挙上=舌骨上筋群の役割』と間違っていました。オトガイ舌骨筋と甲状舌骨筋が共同して働くことで舌骨・喉頭挙上の働きとなることを今知りました。語弊を生むような書き方をしてしまい申し訳ございません。訂正しておきます。

      嚥下の運動学を学んだ際に、舌骨の前上方移動によって甲状舌骨筋、輪状甲状筋、甲状軟骨を介して輪状軟骨が牽引されて食道入口部が開大するとのことだったのですが、先生の仰る通り、『輪状軟骨が牽引され』たとて輪状咽頭筋が常に機能している限り、開大するようなことは起こり得ないような気がします。

      ただ、舌骨上筋群の強化で食道入口部の開題効果があるとの論文を散見する(または、それを前提として話を進めている)のですが、どのような研究でそのような結果が出たのかは知ることができませんでした。

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